「オフィスも会議室も持たなくていい」これから起業する人が損しないために知っておくべきオフィスや人材リソースの話

2021.05.24
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これから起業する、もしくは起業を考えているという方にとって、重要なのは「どういったビジネスをやるか」といったことだけではありません。
「オフィスをどうするか」「税理士や弁護士と顧問契約を結ぶべきか」など、ビジネスを進めていく上で必ず向き合わなければいけない様々な課題をどう対処するかも、失敗しない経営のためには重要です。

そこで今回、専門家のスキルシェアサービスなどを展開している株式会社ビズリンクにて代表取締役兼CEOを務める 姜 大成(かん てそん)氏をお招きし、コワーキングスペース「いいオフィス恵比寿 by enJIN」を運営する株式会社エンジン 代表取締役 常盤 亮太とともに、「起業する前に知っておきたかったこと」というテーマで対談いたしました。

ビズリンク 代表取締役兼CEO 姜 大成 氏

創業当初は資金繰りに苦労するからこそ、2万円でオフィスを間借りできたのは本当にありがたかった

常盤:まずはビズリンク創業時のオフィス状況について、教えていただけますか?

姜:2015年にビズリンクを創業したのですが、当時は私ひとりだけの会社だったので、先輩経営者のオフィスの1席だけを間借りする形でスタートしました。先輩社長のご好意で月2万円で借りることができたため、1年半近くはそのオフィスを間借りして使わせてもらっていました。

徐々に人数も増えてきて、次に移ったのがマンション型オフィスでした。3社が同じ一室を使うといった形でしたね。その後は自社のオフィスを構え、三田、新橋、そして五反田と会社の成長に合わせて1年に1度ペースで移転を繰り返しているような形です。

常盤:間借りでのスタートだったんですね。間借りだと自分のオフィスではない分、まわりに気を使ったりだとか、不自由なこともあったりしませんでしたか?

姜:先輩社長は好きに使って良いと言ってくれてすごくありがたかったのですが、本音としてはやはり気は遣いますよね(笑)。会議室を借りるのも気まずいですし、鍵は預かっていませんでしたから、朝とか夜もいつまで使っていいんだろうみたいな感じで。朝早く行ってみたら、まだ誰も来ていなくてオフィスに入れない、といったこともありました。
メンバーと集まるというときも、ワンコインオフィスのようなレンタルスペースで経営会議をしたり、カフェに集まったりすることも多かったです。

とはいえ、創業当初はオフィスワークよりも外回りをすることのほうが多かったので、オフィスにいる機会ってあまりないんですよね。創業したばかりの頃は、やはり資金繰りにも苦労しますから、月2万円でオフィスを借りれたのは本当にありがたかったですよ。
しかも間借り先のオフィスから固定電話を貸してもらえたので、ビズリンクとして固定電話の番号が持てたというのは大きくて。固定電話がないと契約ができなかったり、個人の会社と思われて信用を得られなかったりするため、とてもありがたかったです。

常盤:創業初期は資金繰りに苦労しますよね。私も創業したばかりのタイミングは、キャッシュフローの問題で従業員に給与が支払えなくなりそうになったり、最悪の場合は借金をして給与を払ったりと、毎月ヒヤヒヤしていました。

姜:そうですよね。私も「なんかあったときのために」と思い、創業前の会社員時代にクレジットカードやカードローンを10枚くらいつくってました(笑)。これで2,000万円くらいはいつでも引き出せるぞと。結局使うことがなかったのでよかったですが、創業当初のお金の心配というのは必ずありますよね。

常盤:あとはお話の中で、固定電話についてのお話がありましたが、創業する前の人が意外と気づいていない落とし穴が固定電話だと思います。私は創業時はシェアオフィスに登記していたのですが、固定電話の番号がなかったため、メガバンクの法人口座を開設できなかったんですよ。
どんなにしっかりと事業をしていても、電話番号だとか住所とかで判断されてしまって悔しい思いをするケースは多くあるので、これから創業する方はケアすべきことだなと思います。

創業当時は自分でやりがちだが、バックオフィス系業務はなるべく自分のタスクから外すべき

常盤:会社経営においては、いかに無駄な経費を削減し、利益を最大化させることが求められるわけですが、創業当初は税理士などの士業への支出も負担になってしまうため、自分らで経理や契約書まわりをやる創業者も多いと思います。
そのあたりは、姜さんはどうされてましたか?

姜:はじめは士業の方々との繋がりもまったくなく、どれくらいの頻度で相談するかもわかりませんでしたから、それなのに高い契約料を支払うのは無駄だなと思い、契約書の作成から給与計算含め、バックオフィス系の業務は基本私が自分で行っていました
唯一、税務まわりだけは依頼しようと、月1.5万円ほどの金額感で契約できる税理士にお願いしていましたね。

ただ、いま振り返ると、経営者がバックオフィス系の業務をやるのは本当に無駄で、絶対やるべきではなかったなと反省しています。たとえば、振り込み作業とか請求書の管理だとかを自分でやっていましたが、毎月手間がかかる割には生産性が低いわけです。契約書の製本ですら、自分でやってましたからね。

しかし、いまであれば安価な事務代行サービスはたくさんありますし、経理まわりから勤怠管理含め、面倒なエクセル管理をしなくても、簡単なクラウドツールがたくさんあるじゃないですか。
例を挙げると、ビズリンクでは請求書作成ツールの「Misoca」を利用していますが、請求書作成や入金の消込が簡単にできるだけでなく、ボタンひとつで請求書の郵送までできるんですね。はじめは自分たちで請求書を印刷して、用意した封筒に封入して、とやっていたのがボタンひとつでできるので、本当に作業量が激減しました。

これから創業するという人であれば、そういったサービスやツールを使い、バックオフィス系業務をなるべく自分のタスクから外していくべきだと思います。

常盤:たしかに、経営者がやるべきでないタスクを経営者が抱えているというケースは、特に創業初期のフェーズだと多いですもんね。他に振り返ってみて、無駄だったなと感じることはありますか?

姜:あとは異業種交流会にめちゃくちゃ参加していたんですけど、あれは無駄だったなと(笑)。結局一回も仕事に繋がってませんし、謎の名刺が増えていくだけで。
参加している当時は、いろいろな繋がりができたと感じ、やった感があるんですが、結果何も生み出さないので、それであれば自分の事業をいかに伸ばすかを考えたり、実務をどんどん進める時間にあてるべきだなと。

「必ずしも自社で雇うだけが選択肢ではない」スタートアップは人材リソースをどう考えるべきか

常盤:昨今は、仲間探しもいろいろな方法がある時代だと思います。ビズリンクでは専門家のシェアリングサービスを展開されていますが、採用するのではなく、スキルシェアでリソースを集め、会社を成長させる、という方法もありますよね。

姜:スキルシェアで必要なときだけ力を借りるといったやり方は今後もっと広まっていくでしょうし、特に創業初期フェーズは自社で雇うよりも、スキルシェアで進めていくほうが良いと思っています。

実際、ビズリンクも創業時は「草ベンチャー」の形で進めていて。たとえば土曜日に経営会議をやるから、外部の方も参加したい人は参加してください、とオープンにしていたんですね。そしたら、アクセンチュアに在籍している友人が参加してくれたりと、いろいろな領域の優秀な人たちが、タダで事業のアイデア出しを一緒になってしてくれて。

そして創業して2、3年経ってより “会社” っぽくなっていってからも、優秀なマーケターの友人に月10万円でアドバイザリーになってもらい、一緒に施策アイデア出しをしたりしてもらっています。
これが仮に優秀なマーケターを採用するとなると年収1,000万円とかになってしまいますが、月5万とか10万円の規模感でアドバイザリーとして入ってもらい、実際の施策実行や運営は社員でやるというやり方をするほうが合理的な場合もあるので、必ずしも人材を自社で雇う必要がないという考えは大事だなと。

株式会社エンジン 代表取締役 常盤 亮太

常盤:「必ずしも自社で雇う必要がない」というのは、まさにそのとおりだなと私も感じています。というのも、いまは副業解禁の流れがあったり、フリーランスで働くヒトも増えていたりして、正社員やアルバイト・パートという働き方以外の選択肢が非常に増えています

実際に弊社でも、経理担当として働いてくれているメンバーは業務委託で入っていて、他の仕事もしていたりしています。様々な雇用形態があるいまだからこそ、雇用する以外の選択肢で、いかに自社のプロジェクトに優秀な人を巻き込むか、という発想は大事ですよね。

そうした人材リソースまわりでいうと、これから創業する方へ何か他にアドバイスありますか?

姜:業態にもよりますが、求人広告を使って人を採用するというのは初期フェーズではやる必要がないなと。というのも、広告は掛け捨てで、資産にならないんですね。一方でWantedlyなどで情報を発信していけば、そのコンテンツは資産としてずっと残りますし、ブランディングにも繋がります。

また、PR TIMESではスタートアップ企業を対象に2年間、無料で毎月1回プレスリリースを配信できるプログラムを用意しているので、そういったものをうまく使うことも大切。そうしたところからメディア取材を受けるキッカケが生まれ、さらにブランディングが加速し、そこから採用に繋がるというケースは十分にありえますからね。

初期が一番大変だからこそ、スタートアップが自分たちの事業成長に専念できる環境を提供していく

常盤:創業時にやってしまいがちな失敗や落とし穴について、いろいろお話いただきました。あらためて創業するとなったときに最初に悩むのが「オフィスをどうするか」という問題だと思うのですが、姜さんはどのようにお考えですか?

姜:よく資金調達をしたスタートアップが、オフィスを構えて内装にお金をかけたりしていますが、初期は広いオフィスも、会議室もいらないんですよ。会議室はお金を生み出しませんからね。

そしていまはリモートワークも一般的になり、業態によってはオフィスを必要しない事業もあると思います。そうした事業で起業するのであれば、いいオフィス恵比寿 by enJINのように、固定電話番号を取得できたりするシェアオフィスを利用し、可能な限り削減できるコストは削減していくべきでしょう。


常盤:いいオフィス恵比寿 by enJINでは、今後スタートアップ向けのサポートプランを提供する予定で、会員であれば、士業への相談を無料でできたり、秘書代行サービスを受けられるなどのサポートを展開していく予定です。

というのも、スタートアップって多くはヒト、モノ、カネがない状態。特に今日もお話にあった士業の人脈がないと、源泉徴収どうする?保険どうする?といった、契約するほどじゃないけど、ちょっと聞きたいことが解決できなかったりするんですよね。
助成金なんかも、創業初期に知っておけば事業が加速していたのに、と後悔するものも多くあります。

またスタートアップの場合、採用する余裕はないけれど、人手が足りないという状況は往々にしてあります。そこで弊社では「ヒトシェア」という労働力のシェアリングサービスも展開しております。しかも即日ご利用いただくことも可能ですので、たとえば、ちょっとしたデータ入力や事務作業、電話対応や法人営業にいたるまで、1時間あたり3,000円〜のスポットでリソース確保することも可能です(月額プランも可)。

このように様々な角度から、いいオフィスenJINではスタートアップの立ち上げフェーズをサポートしていき、スタートアップが自分たちの事業に専念できる環境を提供したいなと。初期が一番大変なフェーズだからこそ、そこをバックアップしていきたい、そう考えています。
姜さん、本日はありがとうございました!

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