ロゴに込められたのは未来のあるべき姿。「いいオフィス」ビジュアルアイデンティティ刷新の裏側

ロゴに込められたのは未来のあるべき姿。「いいオフィス」ビジュアルアイデンティティ刷新の裏側

こんにちは、いいオフィス広報部のちゃんれみです。

Web制作会社「LIG」のコワーキング事業からはじまり、2021年9月時点で全国47都道府県進出、520店舗達成をし、店舗数日本一のコワーキングスペースとなった「いいオフィス」。
2032年までに世界10万店舗出店を目指していますが、10万店舗は通過点に過ぎず、コワーキングスペース事業に留まらず展開していきます。

そして2021年2月には「いいオフィス」が目指す世界観を言語化した理念を策定しました。さらに今回、ビジュアルアイデンティティを刷新。コワーキング事業だけにとどまらない、世界中の人々の頼りにされるような存在になるというコンセプトのもと、「いいオフィス」の目指す世界観をビジュアルに落とし込んだ新たなロゴデザインができました。

今回は、ビジュアルアイデンティティ刷新を担当いただいた国内外で数多くのデザインアワード受賞歴を持つクリエイティブスタジオ「UNIEL ltd.(株式会社ユニエル)」のアートディレクター・野田一輝氏、そして「いいオフィス」代表を務める龍﨑コウのおふたりに、今回のプロジェクトについて振り返っていただきました。

目指しているのが、関わるメンバーも相当な覚悟が必要な世界観だからこそ、VIはインターナルブランディングも重視した

―― まず、なぜ「いいオフィス」のビジュアルアイデンティティ(VI)を刷新するに至ったのか、その背景や理由について教えて下さい。

龍﨑:もともと「いいオフィス」は、LIGが運営するコワーキングスペースとしてはじまり、ロゴの英語表記は “iioffice” でした。その後「いいオフィス」は2018年に法人化し、今後の世界展開を踏まえて英語表記も “e-office” へと変更。というのも、フィリピン・セブ島に進出したときに、現地の方からは “アイアイオフィス” と読まれてしまい、 “いいオフィス” と読んでもらえなかったことがあったんですね。

そして2021年9月時点で店舗数は520以上へと増えていき、2032年までに世界10万店舗を目指しているのですが、今後の「いいオフィス」が目指していく世界観に対して、「このままのロゴでいいのか」という違和感が生まれてきました。
ただ、全国の店舗ですでにロゴは使用されていますから、いまロゴを刷新したら全国の各店舗の看板などを差し替えたりと非常に大変で、どうすべきか悩んでいて。

そんな中、「いいオフィス」が目指す世界観を言語化すべく、元LIGメンバーでコピーライターのひゃくいちに「どこでもいい世界」という新しい理念を策定してもらったんですよね。そしたら、はじめの「いいオフィス」のロゴもつくってくれた、同じく元LIGメンバーでもある野田から「ロゴも変えたほうがいい」と指摘をもらったんですよ。

コワーキング事業だけでなく、別事業も展開していく「いいオフィス」の世界観を表した新しい理念に非常に納得感がありましたから、もとのロゴをつくってくれた野田が変えるべきと言うなら、理念にあったビジュアルに変えるべきだと決断し、今回のVI刷新に至りました。

野田:最初のロゴタイプは、現在の「いいオフィス」が目指す事業の方向性やコンセプトとまったく違うなと感じました。
「いいオフィス」が始まった当時は、LIGオフィスの別フロアにあるコワーキングスペースということから、 “ひとつ屋根の下” といったコンセプトはあり、事業内容も明確でない状態でつくられたものでしたからね。

しかし、今後「いいオフィス」をどのようにして、なにをすべきかという龍﨑さんの強い想いを聞いたときに、初期のロゴデザインに思い入れがあったので寂しさはあったものの、先を見通すと変更するべきと僕自身思い、VI刷新を提案させていただきました。

 
―― ひゃくいちさんがつくられた「いいオフィス」の理念について、野田さんはどのように感じられましたか?

野田:自身も理念づくりやブランディングを任されることもあるのですが、理念を一つの言葉にして、すべて詰め込むって、難しいんですよね。でも、ひゃくいちさんがつくった理念は、ひゃくいちさんらしくロジックがつくられてて、素晴らしいなと感じました。

そこで、VI策定のために「いいオフィス」が目指す世界観をあらためて整理すべく、ひゃくいちさんを自宅に招いて、4時間くらいお話を聞いたんですよ。ちなみに前職で一緒だったにも関わらず、そのときが初対面でした(笑)。

そして龍﨑さんはこんなことを考えている、といったことをひゃくいちさんに代弁してもらって。すでに龍﨑さんからは「いいオフィス」の展望は伺っていたものの、ひゃくいちさんからもお話を聞くことでより理解を深めることができました。

―― 今回「いいオフィス」のVIを刷新するにあたって、野田さんの中でここがポイントだと感じたことは何かありますか?

野田:龍﨑さんが目指す「世界同一職種同一賃金」、そしてそれを実現するための4つの事業フェーズがあるわけですが、1つひとつのフェーズが相当重いミッションを掲げているなと思ったんですね。
僕も仕事柄、いろいろな方と関わらせていただきますが、いままでで一番大きなことを言っているなと感じるくらい、ある意味 “非現実的” な印象もあって。

しかし、龍﨑さんはこれまでも有言実行でやってきた方だと把握していたので、非現実的なもので終わるはずがない。そうなった場合に、「いいオフィス」に関わる人たちにも、それ相応の覚悟がないと実現しないと感じました。

そのため、VIも対外的な意味合いだけでなく、内部的にも使える、インターナルブランディングとしての側面も必要だなと。
そこで、今回のロゴには多くの意味を兼ね備えているのですが、「世界の基礎柱になる」というコンセプトのもと、4つの事業フェーズを示し、関わる人すべてに「いいオフィス」が目指す世界観を常に意識してもらえるようなシンボルをつくるというのがポイントのひとつでした。

「いいオフィス」の4つの事業フェーズを表すシンボル

「はじめはビビッとこなかった」時間が経っても忘れられない、世界に通用するロゴを目指して

―― VIができるまでのプロセスについてもぜひお伺いしたく。具体的にどういったプロセスでVI制作を進めていったのか教えてください。

野田::UNIELではVI制作をフレームワーク化しており、そのフレームワークを活用して「いいオフィス」の情緒ベネフィット、機能ベネフィット、そしてブランドパーソナリティを策定していきました。

特に現在の「いいオフィス」はまだ途中段階であり、4つのフェーズを経てようやく完成体となっていくため、いまの「いいオフィス」ではなく、未来の「いいオフィス」を構成する因子を理念から洗い出していき、複数のフレームワークを活用しながら整合性をとっていきました。

そして「生まれた国や暮らす街に関係なく、どこでも自分らしく生きていける」という世界を実現するための手段として4つの事業フェーズがあり、それはすなわち「人による人のためのエコロジーシステム」をつくることだと理解しました。
そこから連想していき、「いいオフィス」のパーソナリティなども加味していきながら、最終的なカラーマネージメントを策定いたしました。

―― ロゴは、どれくらいの案を出されたのでしょうか?

野田:ロゴは100案ほど、つくりました。しかし、提案したのは一番はじめにつくった1案だけです。

普段、ロゴデザインをつくる際には、独自性があって、世の中に受け入れやすいものから考えるようにしているのですが、自分のポリシーを貫いても「いいオフィス」のためにならないなと。
そこで、「いいオフィス」のためになり、かつ自分自身が愛情が注げるものとして提案したのが、いまのロゴでした。

龍﨑:提案を受けたとき、その場にいた他の「いいオフィス」のメンバーはみな、なんでこのロゴなんだろうと、きょとんとしていましたね(笑)。フェーズ展開は理解しやすいけれども、こういった縦棒のロゴって他社もやっているなと。

だけれども、理解していけばいくほど、いいなと思うロゴなんですよね。そしてこのロゴは1回、2回しか出会わないといったそういうものではなく、 “働く場所” という意味では人生の1/3を過ごす場所のロゴなわけで、時間をかけて徐々に理解が深まるロゴというのは正しいなと思いました。
ファーストインプレッションでビビッとこなかったのが、むしろ良かったんだなと感じています。

野田:自身も、はじめはビビッと来ていなかったんですよ。しかし、最初は「いいね」と言われても、5年後には忘れられているシンボルは世の中にたくさんあるので、ずっと残るシンボルってなんだろうと考えたのが、いまのロゴデザインでした。

そして今回のロゴデザインのような、柱をモチーフにしたカタチは他にもあると何度も悩んだのですが、世界の基礎柱を目指している「いいオフィス」だからこそ使えるカタチだなと思ったんですね。

龍﨑:「いいオフィス」が今後どんどん成長していったとき、似たようなロゴがあったら「いいオフィスのロゴのパクリだな」となる。それくらい「いいオフィス」が目指す世界観にピタッとはまったロゴだなと思います。

また、今回のロゴができたことで、いままでは話してでないと伝えられなかった想いが、ロゴで伝えられるようになったと思っていて。「いいオフィス」が目指すものすべてがロゴに含まれている。

中でも、特に今回のロゴでの一番重要な要素は、「いいオフィス」の “いい” という日本語の部分。 “いい” ってGoodという意味だけでなく、人それぞれ “いい” の意味合いが違うような、ゆらぎのある言葉だと思うんですね。
ここまでで “いい” という人もいれば、ベストなものを “いい” という人もいる。そういった様々な意味合いの “いい” を包括する単語って世界にないのではと思いますし、今後世界展開していって「このロゴはどういう意味なのか」と海外で聞かれたときも、「人それぞれ違う “いい” を包括した意味の日本語なんですよ」と説明できるのが、このロゴだなと感じました。

“いい” という言葉だけで世界に勝負にいけるロゴ。毎日のようにこのロゴを見ていて、愛着が湧いてきましたし、これからの展開に非常にワクワクさせられるロゴになりました。

”いい” という言葉、さらに1番左の柱はEofficeの「E」をシンボル化させている

成長ありきのロゴ。4つの基礎柱を築き、 “どこでもいい世界” の実現を人生をかけてでも目指していく

―― あらためて今回のプロジェクトを振り返ってみて、野田さんにとってはどのようなプロジェクトだったと感じられていますか?

野田:これまでも、企業のブランディングに関わらせていただき、どれもプロジェクトの重さは一緒ではありますが、今回の「いいオフィス」のVI刷新プロジェクトは社会的尊厳にも関わるプロジェクトだったなと。

「世界同一職種同一賃金」の実現含め、雲を掴むような、難しいことが待っていると感じます。しかし、やはり国や住む環境が変われば、過酷な環境に身を置いている人たちはいるわけで、明るい未来をつくるためには、インフラ含めて依存できるものが必要。
「いいオフィス」がやろうとしていることは、そうした明るい未来をつくることなわけです。

そのため、今後の4つの柱を実現していくための重要なプロジェクトだったなと感じますし、いいオフィスと共に成長するべきシンボルですから、「いいオフィス」が目指す世界観が実現してほしいです。

―― 理念策定、VI刷新を踏まえ、あらためて「いいオフィス」の展望を教えて下さい。

龍﨑:多くの企業は事業成長した後に社会貢献活動、CSR活動に取り組んでいたりしますが、「いいオフィス」は事業自体が社会をより良くしていくものだと思っています。

そして、「いいオフィス」がやろうとしているのは、何かを寄付するようなことではなく、様々なインフラを用意して、世界の人たちが自分たちで幸せを掴み取れる環境をつくるということです。

そのためにも、「いいオフィス」として利益を最優先に捉えるのは後回しで、「いいオフィス」が目指す4つの柱を築き上げるために、存続してインフラをつくり続けることが大切。そう考えたときに、「いいオフィス」の理念が引き継がれていけば、私が代表でい続ける必要はないんですよね。
最適な人がいれば代表を譲り、私は2番目、3番目として「いいオフィス」の目指す世界観を人生をかけてでも実現したいと思っていますし、「どうせ働くなら世の中のためになることがしたい」という人たちと一緒に推し進めていきたいなと。

今回のプロジェクトで、「いいオフィス」が目指す世界観が理念とロゴに落とし込まれましたから、仮に私が明日死んだとしても、サグラダ・ファミリアのように誰かが想いを受け継ぎ、4つの柱を築き上げていくことができるようになったなと思います。

直近では2032年までに日本国内で2万店舗、世界で10万店舗という規模感を目指していますが、その後も第3、第4の柱を築き上げていき、 “どこでもいい世界” を目指して、前へ突き進んでいきたい。そう考えています。

「いいオフィス」からのお知らせ

2021年11月には「いいオフィス」アプリおよびサイトなどシステム全般のフルリニューアルを予定しております。今後の「いいオフィス」のさらなる展開にどうぞご期待ください。

なお、「いいオフィス」ビジュアルアイデンティティ刷新については、下記リリースもご参照いただければ幸いです。
コワーキング事業からさらなる展開へ。「いいオフィス」ビジュアルアイデンティティ刷新のお知らせ(2021.09.01)

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